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"上火"と”王老吉” [中国 グルメ&レシピ]


この時期、中国の冬は乾燥しているからか、多くの友人たちが

   ”我上火了!”


と言っているのを聞きます。
あとライチとかマンゴー食べ過ぎたら

”别吃这么多,你会上火的!”(食べ過ぎたら上火するよ)

とか言われます。
この「上火」って中国にいるとよく耳にするんけど、日本語に訳して!って
言われると…ううーんなんて言ったらいいんだろ。


 それからこっちのスーパー商店どこでも売ってる飲料「王老吉」。
コーラ、緑茶、王老吉、みたいな。
ちなみに「ワンラオジー」って読みます。


…私もこっちに来たての頃外食中のどが渇いて、お茶かな?と思い
飲んだら、甘くて「うえーーーーっっ」となった記憶があります。
 こっちはウーロン茶も緑茶も砂糖入ってるのを忘れて安心しておりました。
味は濃いめの中華ハーブティーに砂糖たっぷり ってな味です。

その大陸全土至るところに出没する「王老吉」のCMのキャッチフレーズが、

                 怕上火!喝王老吉!


 元々広州一部の飲み物だったのが、この一言で中国人のハートをガッチリつかんで、全国展開中です。



 「上火」とは…

 元々中医学の概念で、体内の陰と陽のバランスが崩れ、口内炎、吹き出物、目の充血、熱っぽい、胃痛、便秘など、病気じゃないけどなんか調子悪いわぁ…。という状態のこと。

日本ではこれらの症状を一括りにすることをしないですもんね。


そしてこの「上火」を利用してブランドとなったのがこの「王老吉」。
元々広東・浙南地方では古くから”涼茶”という体の熱を冷ましたり悪い炎症を
抑える漢方茶が飲まれていて、その老舗がワンラオジー。
 しかし全国展開してもほかの地方では飲む習慣がなく、コンセプトがあいまいに。

結局
「飲料」にするため飲みやすく甘みを増すと薬としての効果が下がり、

「薬」として売り出すと日常的に飲まれないため売上は限定されます。

しかも既にコカコーラなど強力なライバルを相手に競争しないといけません。

 それで調査した結果、広東の消費者は焼肉などの際”のぼせや口内炎予防”
にワンラオジーを飲んでいたんです。 結果、

「のぼせ・炎症といった上火の治療」ではなく、
「上火の予防」ができる機能性飲料


というライバルのいない市場戦略を発案。
 また全国に浸透していない”涼茶”でなく全国エリアで誰でもわかる

”上火”

というキーワードを軸に全国展開を始めます。

2011年の年末のCMも、怕上火!喝王老吉!
上手だな、と思うのが、クリスマス、春節は毎日肉料理や油っぽい料理の連続なので,

贈り物にも喜ばれる!食べ過ぎ口内炎予防にも!

みたいな売り方をしてるんですよね~


主人公もごっついケース買いして、おばあちゃんちに持って行って家族で飲む
みたいな…


中国に浸透している「上火」を用いて商品を全国展開するとはさすがです。

日本でも中華街とかで売ってますよ。

 缶にも、「仙草、インドソケイ、破布葉 、菊、スイカズラ、ウツボグサ、リコリスが入った漢方仕様のドリンク」
 「人民大会堂(日本で言う国会)の宴会用飲料」
とあります。

チャイナワールドの体験に、ぜひあなたもワンラオジー!


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